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ソニーの平井一夫会長の経営教室、第3回のテーマは「経営チームづくり」。経営戦略の方向性を共有でき、自らにはない「異見」を伝えてくれる人材を選ぶという。出世についても「肩書ではなく、人格で仕事を進めることが重要だ」と説く。

平井 一夫[ひらい・かずお]

1960年12月、東京都杉並区で生まれる。父の転勤で海外と日本の生活を繰り返した後、79年に国際基督教大学入学。84年、CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)入社。95年、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE、現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)米国法人出向。2003年、SCE米国法人CEO(最高経営責任者)。11年ソニー副社長、12年ソニー社長兼CEO。18年3月期にソニーを20年ぶりの営業最高益に導く。18年4月から現職。
エンタメ事業出身から社長になり、「経営チーム」はどのようにつくり上げましたか。

 私がソニーの社長として、経営チームのメンバーを選ぶ際にまず重視したのが、経営の方向性を共有できるかどうかです。当時は、エレクトロニクス事業を中心に赤字に苦しんでいましたので、「ソニーを復活させるんだ」という強い意志とコミットメントを求めました。

 加えて重視したのが多様性です。経営会議などで議論する際、異なる視点の意見、いわゆる「異見」を尊重したかったからです。