「対話が重要なのに、日本と中国でほとんどない 首相がもっと動くべきだ」

 4年半、担当してきた「賢人の警鐘」だが、私は今回で卒業となる。移民政策からリーダー論に至るまで様々なテーマで筆を執ってきたが、ずっと根底にあったのは対話、コミュニケーションの重要性だ。これは当然、度々話題に出してきた国際問題、特に生まれ故郷である中国と日本の関係性にも言えることだ。単刀直入に言えば、日本は中国とのコミュニケーションが足りない。この課題は散々、このコラムでも指摘してきたが、この4年半、進歩がなかった。

 強権的な習近平(シー・ジンピン)体制に問題があるのは確かだ。独り善がりで、相手の身になって物事を考えられていないように感じる。ただ、日中は一衣帯水の関係にある。歴史的な関係性も深い。欧米諸国とは立場が違うわけで、日本がコミュニケーションを取らなければ他にどの国が取るのか。そして習近平はその国のトップだ。やはり対話をしなければならないし、その役目は一国の首相にしか務まらない。

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