「再犯者率が高い日本 出所者の社会復帰促す仕組みづくりを」

 冬になるといつも思い出すことがある。厚生労働省で局長をしていた2009年、大阪地検特捜部の検事による郵便不正事件の証拠改ざんに巻き込まれ、大阪拘置所に勾留されていた時のことだ。

 160日余りにわたる刑務所生活の中で見かけた受刑者たちは皆「極悪非道な犯罪者」とは無縁の印象だった。彼らはどんな犯罪に手を染めたのだろうと疑問に思い、検事の方に尋ねると、意外にも「僕たち、正月前は忙しいのですよ」という返事が返ってきた。寒い冬や年末年始を刑務所で過ごすために、万引きや無銭飲食などの軽犯罪を繰り返し、逮捕される人が増えるのだという。

 刑務所にいれば寝る場所に困らないし、ちゃんとした食事にもありつける。刑務所での生活が、彼らにとっての逃げ場になっているという現実に、大きな衝撃を受けた。

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