「女性だけでなく男性も。子供と接することで脳にスイッチが入る」

 私事だが40年近く、ペットを飼っている。ペットを飼いだしたのは、東京大学のキャンパスに迷い込んだ子猫を拾ったのがきっかけだった。その次に飼ったのが同僚に譲ってもらった犬。当時、私は20年近く飼った猫を亡くして悲しみにくれていたが、生まれたばかりの子犬の写真を見た途端、かわいさに夫ともども飼うしかないと引き取りを決めた。

 犬種はスタンダードプードル。かつてヨーロッパでは水鳥猟で重宝されていたこともあって知能は高い。私にとって同志のような存在だった。

 今、我が家にはそのスタンダードプードルのめいの子に当たる「コギク」という名前の犬がいる。こちらは犬種は同じでも性格は正反対。特に我が家に来たばかりの頃は遊びたい盛りだった。やんちゃで家中のものをかじりまくっていた。自分でも驚いたのが、このコギクによって私の子供をかわいがるスイッチが入ったことだ。その瞬間もよく覚えている。あまりのいたずらぶりにあるとき、私はコギクを叱ったのだが、しゅんとして落ち込むコギクを抱えたときだった。私の中で何かが芽生えた。

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