「金融機関は行動規範を再定義し、『リード株主』を立てよ」

 3月21日号の拙稿「政策保有株の問題は矜持なき金融機関の責任 真摯な企業統治に生かせ」は大きな反響を頂いた。金融機関が持つ政策保有株は企業の本源的価値向上を目的とする投資(「エンゲージメント投資」)に転換し得ると論じたが、今回はその具体的な方策を考えてみたい。

 参考になる提言がある。小林慶一郎・慶応義塾大学教授による、政策保有株をエンゲージメント志向の機関投資家が取りまとめ、企業と対話する「リード株主」の創設がそれだ(「リード株主」という言葉は日本投資環境研究所の上田亮子氏による)。楠木建・一橋大学教授も提言している通り、政策保有株という「みにくいアヒルの子」を白鳥に生まれ変わらせる推進力になるのが、リード株主といえる。

 リード株主は、デットガバナンス(債権を通した企業統治)におけるメインバンクに相当する。メインバンクは銀行団を取りまとめ企業側と対話するわけだが、これを株式保有による「エクイティガバナンス」に置き換えれば分かりやすい。金融機関を含む複数の長期株主をリード株主が取りまとめ、出資先企業の本源的価値向上のために汗をかく。まさにエンゲージメント投資のあるべき姿だ。

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