「不運が続く氷河期世代。 硬直的な雇用形態を改め、 再チャレンジの機会創出を」

 4月に入り新年度が始まった。今年も多くの若者がスーツに身を包み、社会人の仲間入りをする。そんな姿を見ながら思うのは、時代の不運で思うような仕事になかなか就けなかった、就職氷河期世代のことだ。

 バブル崩壊後の1990年代から2000年代前半に就職活動をした世代は、企業が新卒採用を控えたことから、仕事に就くことをあきらめたり、正社員になれず非正規の職に就かざるを得なかったりした人が多い。

 あれから30年近くがたち、彼らも40から50半ばくらいの年齢に差し掛かろうとしている。それにもかかわらず、統計局の調査では約1600万人いる就職氷河期世代のうち、現在も約50万人が不本意ながら非正規雇用の職に就いているという。加えてこの世代は他の世代と比べて大企業に勤める割合が低い。無業や離職などを経験しているため現職の在職期間が短期化している、といった傾向も見られる。企業でいえば管理職となる最も働き盛りの世代がこうした状況にあることは、平均賃金の押し下げ要因にもなっている。

 氷河期世代は、15~64歳の生産年齢人口のおよそ2割を占めるだけに、この層が不安定な就労状態を続けているのは、人口減少で労働力不足が叫ばれている日本社会において、大きな懸念材料だ。しかも、長期にわたる不安定就労は将来の低年金、さらには生活困窮にもつながっていく。社会全体として見過ごせない問題だ。