「短期収束は予測できず。 新型コロナ対策への投資は、 企業の競争力を高める」

 政府であれ、一般市民であれ、企業であれ、誰もが新型コロナウイルスのパンデミック(感染大流行)は変異型「オミクロン型」が最終段階だと考えたいだろう。だが、それはまだ誰にも分からない。だがこの考え、または希望が、政府や企業の計画や意思決定の貧弱な基盤になっている。政府や企業は、慎重なリスクマネジメントの観点からパンデミックを考えなければならない。

 新型コロナ流行に短期的な希望的観測が広まっているようだ。残念だが、オミクロン型に関する科学的根拠は、「感染力が高いが強毒性は低いから危険性は低い」との希望的観測を証明するものではない。科学的根拠が示すのは、オミクロン型は以前出たデルタ型から変異したのではなく南アフリカでの感染流行でデルタ型と並行して変異をとげたことだ。次も同時並行で変異するかもしれず、弱毒化するか強毒化するか予測はできない。

 間違った臆測を基盤とする対策は、政府で特に顕著だ。政府、国会関係のほとんどが、差し迫った問題への短期間の解決法に集中した。日本政府はオミクロン型流行に際し、外国人に日本の国境を閉鎖する対策を取り、ワクチンのブースター接種(追加接種)計画を進めるのが遅くなった。国境閉鎖で日本政府に決断力があるところを見せ、国民の支持を高めたが、オミクロン型流行防止には効果がなかった。

 感染力が非常に高いオミクロン型の脅威で重要なのは、免疫「T細胞」を確実に生み出す最新のワクチン接種を多くの人々が受けているかどうかだ。T細胞は入院が必要な重症化や死亡に至ってしまうブレークスルー感染を予防するとされる。だからこそブースター接種が大変重要だ。