「成長力生かせぬ日本人、閉塞感の源はリスク回避。可能性を信じて前進を」

 ほぼ2年越しとなった新型コロナウイルス感染症問題は、ワクチンや治療薬の開発で一定の緩和手段が得られた。しかし変異型の影響には目が離せない。地政学的対立の深刻化、世界的インフレーションの制御の可否、気候変動問題やエネルギー需給の逼迫など、2022年も経済の不確実性が続くことは確実だ。前回(日経ビジネス11月15日号)でも述べたが、難題の前に萎縮せず、学ぶ機会が増えることをむしろ歓迎する心持ち(グロース・マインドセット=成長型思考)で新年を始めたい。

 変転極まりない時代であるほど、人材力が各国の国力のカギとなるのは必定だ。最近、日本の人材力に関する国際比較のデータを見る機会があった。日本は、現在の職場で働き続けたい人の割合や、士気・熱意がある人の割合が最下位。日本の職場満足度が低いとは聞いてきたが、それが「証明」された。

 背景には物価が全体的に下落するデフレーション的傾向が抜けきれない日本経済における賃金の伸び悩みがある。同時に、環境変化のスピードが速くなり、日本企業が得意としてきた、実務経験から業務遂行に必要なスキルを学ぶOJT(On the Job Training)による人材育成が有効性を失った点も見落とせない。就職後の人材成長の場としての魅力が失われてきているのだろう。

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