「障害者雇用は強い組織を作るきっかけになる。創意工夫で強み引き出せ」

 東京オリンピック・パラリンピックが閉幕した。テレビでパラリンピック選手の活躍を観戦しながら思い返したのは、厚生労働省時代に携わった障害者政策にまつわる色々なエピソードだ。障害者の雇用や福祉の担当課長を務めたのは40代になってからだったが、初めてのことばかりで戸惑いも多かった。

 日本における障害者雇用法制は、身体障害者の雇用のために制定された1960年の「身体障害者雇用促進法」を基に、その後知的障害者や精神障害者をも対象に加え、現在の「障害者雇用促進法」に発展した経緯がある。初めて昔の条文を読んだ時「すべて事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有する」という箇所に感動した。社会の構成員が皆普通に働き、普通に暮らせるように「連帯」しなければならないという、極めて民主主義的な思想が昔から存在していたのだと気づかされ、新鮮な気持ちになったのを今でもよく覚えている。

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