「『国策企業』の東芝。 安上がりな方法で操作した日本政府の罪は深い」
一度でも企業の幹部を務めたことがある人なら誰でも知っているが、「コーポレート・ガバナンス」は、大きな問題をはらむコンセプトだ。社外取締役として法的に大きな責任を持っているにもかかわらず、とても小さな権限しかなかったら、受け取る情報の質やタイミングなどを社内役員に頼らざるを得ない。
それを考えると、現在、東芝の社外取締役たちが株主と社内役員、日本政府との間の問題に巻き込まれていることには同情できる。社外取締役の役割は、特にスキャンダルや対立といった局面において大変難しい。
ただ、完全に同情だけするわけにもいかない。社外取締役と会長が限定的な権力を持つことは、2020~21年に東芝で起きたことに深く関係するからだ。また、この問題に悪影響を及ぼした日本政府の官僚への同情の余地は一切ない。これはコーポレート・ガバナンスだけでなく、ナショナル・ガバナンスについての問題でもある。
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