「投票率と出生率の低落傾向は誰の責任か。長年の垢を洗い流せ」

 5月23日にさいたま市長選が投開票され、現職が4選を決めた。驚いたのは28.70%という投票率の低さだ。30%を下回ったのは同市長選挙で初めてだという。気になって調べたところ、同日の日光市長選(栃木県)や伊東市長選(静岡県)でも過去最低を更新している。

 今回の選挙に限らない。自治体の首長選挙だけでなく国政選挙の投票率も過去数十年にわたってダウントレンドを続けている。

 総務省のまとめによると、衆議院議員総選挙の投票率は1960年代まで70%前後が当たり前で、93年までは一貫して65%を超えていた。だが2017年の衆院選は53.68%に低下。19年の参院選は48.80%と半数を割り込んだ。政治や社会問題に対する興味が薄れ、投票に行っても何も変わらないと考える人も増えているのだろう。

 長期低落傾向を続ける数字はもう一つある。日本の合計特殊出生率だ。現在の人口を維持するには2.06~2.07程度が必要とされるが、厚生労働省が6月4日に発表した人口動態統計によると、20年の出生率は1.34と前年比0.02ポイント低下した。20年に0.84だった韓国と比べれば高いが、1.8以上を維持するフランスはもとより、米国や英国、ドイツなどを下回っている。

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