「危機と社員をひも付ける『強烈な反省論』が事業再生には不可欠だ」

 私は経営者としてあるいは事業再生専門家として、約40年間、ミスミの会社改造を含めて事業活性化をライフワークのようにして生きてきた。低迷企業は危機的状況に陥っていても、社員個人としてはさして痛くない状態が続く。自分はちゃんと仕事をしている、悪いのは上層部や他部署のせいだと批判して溜飲を下げている者が多い。

 実は日本に多いこの症状こそ、企業改革の正しい入り口と順序を示唆している。社員が痛くないのは、会社の不振に自分がどう関係しているのか、その因果関係が見えないからだ。私はそれを見えるようにする手法に取り組み、それを「強烈な反省論」と呼んでいる。強烈というのは、怒声を上げて個人の反省を迫るような意味ではない。「論」の字が付いている。事業全体の悪さを論理的に「分解」し、できるだけ各部署の「個人の役割と責任」にまでひも付けする。それが見えれば社員は「自分もまずかった」と気づき、自然に自省の念を抱く。

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