「何のため存在するのか。転換点での経営判断は、経営理念に立ち返る」

 コロナ禍によって多くの企業が厳しい経営環境に直面している。当社は景気などに左右されにくいスーパーマーケットを事業としていることもあり、会社が倒れるのではないかというような危機に直面したことはない。しかし、会社が成長する中で、後から振り返って転換点だったと思う出来事はいくつかある。

 一つは母親でヤオコー創業者の川野トモが経営をしていた時代のことだ。現在はスーパーマーケットを営むヤオコーだが、もともと私の曽祖父が青果店として店を構えた。その後は鮮魚なども取り扱うようになり、店は繁盛していた。

 1958年、母はその店を、お客様が自分で商品を選んでレジで会計をするセルフサービス方式のスーパーマーケットに業態転換した。母がこのとき、どのような考えでスーパーマーケットを始めようと決断したのかは、分からない。ただ、商売には熱心だったし、店を発展させるために情報を集めるなど勉強をしていた。店の将来を考えたときに、商売への執念と経営者としての直感で、このままではいけないと考えたのだろう。

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