「両利き経営では足りぬ。大胆に稼ぐ形を変えねば、企業寿命を縮めるだけだ」

 東京五輪の組織委員会会長だった森喜朗元首相の発言が物議を醸し、尾を引いている。女性を蔑視するような発言はいただけないが、少し気になったのは、一部で「老害」との表現が見られたこと。そんな折、5年前にイスラエルのシモン・ペレス元大統領と会った時を思い出さずにいられない。

 当時すでに92歳。ペレス氏から次から次へと出てくる言葉はAIであり量子でありシェアリング経済であり、気を抜くと置いてけぼりになりそうなほどだった。特に強調していたのは「We learn from the future, not from the past」。過去ではなく未来から学べという意だ。90をすぎても未来を鋭く見抜き、自らを磨き続けることを忘れない姿に、「今後自分はこうはなれないかもしれないな」と直感した記憶がよみがえる。

 経営者の条件は年齢では決まらない。年を重ねれば情報が蓄積されアドバンテージにもなるが、勉強を重ね頭のアップデートができなければ「老害」にも成り得る。時代を読み、会社を変えていくビジョンを持ち、社会に貢献しながら貪欲に稼ぐ。若くてもこれらを持ちあわせていればトップにふさわしいだろうし、これらを失った人は若かろうと老いていようと責任ある立場から去るべきだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り945文字 / 全文1516文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「賢人の警鐘」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。