「コロナワクチンへの投資は費用対効果が極めて高い。日本も世界のリード役を」

 リスクと比べて大きく確実なリターンを把握できる状況がかなり珍しいことは、読者もご存じだろう。政府・民間企業で働くエコノミストの間では、新しい投資計画の費用対効果を分析した際、コストはある程度分かっても、利益では不確実な見通しが出ることが知られている。しかし新型コロナウイルスの感染拡大から約1年が経過した今、我々はその珍しいケースを目にしている。不思議なことに、各国政府はこれに感動や興奮、高い関心を持って対応していない。企業は政府にそうするよう強く要請すべきだ。

 その珍しいケースとは、新型コロナワクチンの研究や開発、生産能力向上への投資のことだ。国民にロックダウン(都市封鎖)などの移動制限を課す期間、あるいは海外からの渡航者に国境を閉じる期間、経済は縮小し、数兆ドル規模で税収が減る。こうした移動制限や国境閉鎖の期間を縮める投資は、確実なリターンが見込める。唯一のリスクはワクチンで免疫を獲得できない可能性だが、複数のワクチンで有効性が明らかになっている。数十億ドルをワクチン生産と接種に費やしても、結果としてその国は数千億ドルを、世界ならもっと多くを失わずに済む。費用対効果はかなり明らかだ。

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