「『事の外に立ちて、事の内に屈せず』。大局観説く陽明学者の言葉に学ぼう」

 新型コロナウイルスの影響が長期化している。ANAホールディングスをはじめとした航空業界はもちろんのこと、あらゆる産業に危機が押し寄せる。こんな時にかみしめたいのが陽明学者、山田方谷の「総じて善く天下の事を制する者は、事の外に立ちて、事の内に屈せず」という言葉だ。

 物事は大局的な観点から考えるべきで、身内の論理、部分最適に陥らずに、全体最適で臨まなければならない──。私はこの言葉をこう解釈しているが、これは経営にも生きる言葉だと考えている。

 まずは方谷について紹介しよう。幕末に破綻寸前だった備中松山藩で、農商出身ながら時の藩主に才能を見いだされ、藩政の中心に抜てきされた。特産品の鉄を中心とした殖産興業や、大坂蔵屋敷の廃止など大胆な費用削減策の両輪で、1850年から57年までの7年間で10万両あった借金を返済し、10万両の余財も残した。

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