「再生には組織論が必要。『創る、作る、売る』を、高速で回せる組織を作れ」

 私は30年以上前に事業再生を手がけ始め、危機感が低く政治性がうごめく日本の大企業の再生には、鮮明な「戦略」だけでなく「新しい組織論」が必要と悟った。そして、その組織論を探し続け2つの基本原論に行き着いた。

 本稿ではまず、1つ目の原論を紹介する。「社内の『創る、作る、売る』の速度を上げれば事業、商品の競争力は高まる」。単純な話だ。その考えの起源は、私が30代前半に奇遇でトップ経営者として舞い降りた住友系合弁会社で見た社内現象にある。10年後に事業再生のために入った別の大企業でも、業種は違うのに、社内の景色がそっくりだった。

 私はその景色をこう解釈した。日本企業が大企業病に陥ると、社内の「開発→生産→営業→顧客」(行きのサイクル)の速度が低下する。顧客のクレームや要望を吸い上げ、社内の担当部署に戻して、その答えを市場に返す速度(戻しのサイクル)も落ちる。

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