「アフターコロナの働き方、ラスト1m以外は70%デジタルを目指そう」

 育児に忙しかった頃、「空飛ぶ魔法のほうきが欲しい」とよく思った。スケジュールに追われる中、家から仕事場へ、仕事場から保育園へと一瞬にして移動できたらどんなに楽だろうと夢見たものだ。ところが今、その夢が現実になっている。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の時間の過ごし方が大きく変わった。私もこの3カ月間、自宅の徒歩圏内からほとんど出ていない。大学院の講義はオンラインによる遠隔で実施し、多くの会議や面談もオンラインで対応できている。講義は準備に時間を使い、学生とのやりとりも増えたことから内容がよくなったと感じるし、会議も効率的に思える。

 この機会に、働き方や暮らし方を大きく変えるべしと思う人も多いようだ。従来のような、午前9時から午後5時など決まった時間に全員でオフィスにいれば効率的だという“神話”が、崩れている。

 明日香村を旅行した時、天智天皇が7世紀に水時計を作り国民に時刻を知らせたことで、日本で時間という概念が知られたと聞いた。時間の共有によって生産性が高まったのだという。しかし、知らず知らずのうちに、逆に時間が人間の発想を束縛するようになったのではないか。毎日皆が同じ時刻に出社するのが当然という考え方がその典型だ。