全1493文字

先行きの不透明な時代 自ら問いを立てて考え、 議論できる力を伸ばそう

 大学院で教えていて気になることがある。学期末の試験で論述問題を出すと、日本の学生と留学生の解答量がまるで違うのだ。解答用紙はA4裏表3枚だが、日本人は日本語で1枚書くのがやっと。埋まらない学生もいる。一方、多くの留学生は英語で3枚びっしり書いて、「追加が欲しい」と言ってくる学生もいる。

 単に量の違いだけだと考えたいところだが、答えの質も伴っている。自分の考えを論理的に組み立てて表現している。具体例で主張を裏付け、修辞も使いこなす。「問を設定して論理を組み立てる」「自分の考えを整理して伝える」といった訓練ができているからだと思う。

 もうひとつ気になる傾向がある。学生に経済誌の英文記事を読んでくる宿題を課しているが、「記事を読んでどう思ったか」と聞くと、多くの日本人学生は「ここが分からなかった」と、理解できなかった点を話してくれる。内容の理解を最も重視しているようだ。しかし、本当は「あなたは何を考えたか」を教師は重視している。だから最近は「分かったことは何?」と聞くようにしている。