「危うい日銀の『大株主化』 出口なきETF購入は企業の評価をゆがめる」

 日本銀行が、東証1部上場企業の最大株主になる日が近づいている。黒田東彦総裁の下で実施している異次元金融緩和策の一環で、日銀は上場投資信託(ETF)の買い入れを進めてきた。2019年9月の公表データによると、簿価ベースの保有残高は約27兆円。国内ETFの純資産総額は約40兆円(9月末時点)だから、時価ベースでは実に約7割を日銀が保有していると推計される。

 東証1部上場企業の時価総額合計は約598兆円(9月末時点)。日銀はETFを介して東証1部上場企業の株式の5%弱を保有する大株主になっている計算だ。

 日本国民の年金資産を運用している世界最大のファンド、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は19年3月末時点で38兆6500億円の株式(時価ベース)を保有している。同時点での日銀のETF保有残高は28.9兆円(時価ベース)で、GPIFが東証1部上場企業の最大株主であり日銀は第2位。日銀は毎年、約6兆円規模のETFを購入しているから、このペースなら早ければ20年中にも、日銀がGPIFを抜いて最大株主になると言われている。

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