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「初任給と同水準の年金。 『バラ色の老後』のバラは 本来自分で用意すべきだ」

 95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を盛り込んだ、金融庁の報告書が話題となった。世間が報告書を、「年金制度は安心と言い続けてきた政府がその不備を認めた」と受け取ったからだ。各方面からの批判を受けて、報告書は最終的に取り下げられるまでの騒ぎに発展した。

 報告書では、男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦の収入と支出を総務省の「家計調査」のデータをもとに算出し、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイルなどによって大きく異なると触れた上で、年金収入だけでは毎月約5万円の赤字が出るとし、これから20~30年生きると約1300万~2000万円が不足すると記した。

 現在65歳の人が90歳まで生きる確率は男性25%、女性49%というデータもあるくらい、日本人は長く生きるようになっている。寿命が延びた分、お金が以前より必要になるのは当然だ。報告書は「老後に対する備え」という考え方に対して、あるべき姿がきちんと書かれたものであったと思う。