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「モノづくりで稼ぐ間にどれだけ会社を変えるか。それが経営者の能力だ」

 どうも「バッジ」の類(たぐい)が好きになれない。特にスーツの襟元に着けるピンバッジのこと。会社のそれは早々になくしたままだ。何より、「誰々でござる」と、ことさらに帰属を示そうとする姿勢が性に合わない。

 最近は、持続可能な開発目標(SDGs)のバッジを経済界や労働界の幹部がこぞって着け、会合に臨む姿をよく目にする。SDGs自体は素晴らしい概念だが、金科玉条のごとく捉えてみな横並びでバッジを着け、それでよしとしているかのような姿に違和感を禁じ得ない。そもそもSDGsは一過性のムーブメントではなく、もっと根源的な話だ。信奉していれば済むわけではなく、常に思いを巡らせ、経営に取り入れるべき考え方である。弊社の場合でさえ10年前から取り組んでいる。

 戦後の日本は、ひたすら勤勉に働き、同じものを安く大量に生産する横並びが十分すぎるほど機能した。人口が増えていたので、日本の中だけで稼ぐこともできた。