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「監督の采配と選手の力量 両方がそろわなければ 成果は得られない」

 例年、正月には箱根駅伝の中継を見る。今年の箱根駅伝の平均視聴率は、往路・復路ともに30%を超え、過去最高を記録した。この日のために1年間、鍛錬に鍛錬を重ね、死力を尽くし、一丸となって懸命に走る若い選手たちの姿は見る者の心を動かす。

 今年の箱根駅伝は、王者と称された青山学院大学が総合2位と後塵を拝したが、復路優勝や区間新記録の更新などで底力を見せた。報道によると、青山学院の監督は敗因として「私の采配ミス。4区を甘く見すぎた」とコメントしたそうだ。これは、2年前から距離が2km以上伸びた4区に他校が主力級を投入したことに対し、青山学院は3大駅伝初出場の選手を起用し、4区の区間順位が15位と沈んだ結果だ。選手の力量や頑張りと指揮官の采配の両方がそろわなければ、盤石とみられた優勝候補であっても結果が得られるとは限らない。企業経営と同じである。

 私が駅伝に共感する理由の一つは、何としてでも次にタスキをつなごうという若い選手たちの姿だ。今年も箱根駅伝の1区で、スタート直後に転倒した後、足を痛めたにもかかわらず最後まで走り抜きタスキをつないだ選手がいた。昨年秋に福岡県で開催された女子駅伝でも、転倒・負傷したにもかかわらず200m以上の距離を膝を血だらけにしてはいながら進み、タスキをつないだ選手がいた。私は彼らの姿に胸を打たれた。