今や世界的な課題である「幸せ、ウェルビーイング」の実現。ここを起点に企業と顧客、その他ステークホルダーとの関係性を構築する「幸福度マーケティング」は、今後、企業経営の勝ち筋の一つになる。

髙木 健一[たかぎ・けんいち]
PwCコンサルティング合同会社ディレクター
京都大学理学部卒、香港科技大学(HKUST)MBA(経営学修士)。事業会社でのマーケティング、外資系戦略コンサルティング会社などを経て現職。

 「グレート・リセット」──。新型コロナ感染症拡大による延期の末、本来ならば今月シンガポールで開催予定だった、世界経済フォーラム年次総会(通称ダボス会議)のテーマだ。その意味合いは、世界経済フォーラムの創設者クラウス・シュワブ会長によると、「人々の幸福を中心とした経済に考え直すべきだ」との考えに基づいている。

 消費者行動の視点でも、D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)などの潮流に顕著なように、Z世代の若者を中心に世界観や理念に共感した企業の商材・サービスを選ぶ傾向が強まっている。消費者の「幸せ、ウェルビーイング」への献身を企業が体現することが今後の勝ち筋の一つになり得る。

 こうした中、企業経営でも「幸せ、ウェルビーイング」は真剣に取り組むべき課題として注目され、実際、食品、化粧品、日用品、住宅、自動車、製薬、小売り、テクノロジーなど多岐にわたる業種の先進企業が「幸せ、ウェルビーイング」をパーパス(存在意義)や経営理念、経営戦略として標榜し始めた。

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