コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)が今年6月改定された。社外取締役を取締役全体の3分の1以上にする。経営には本気のガバナンス戦略が必要になる。
大和総研主席研究員

金融庁と東京証券取引所が今年6月に改定したコーポレートガバナンス・コードは、上場企業の経営層にとってガバナンスに本格的な対応を迫る内容になった。
東証1部など4市場を来年春再編して誕生する、証券市場の実質最上位「プライム」に上場する企業では、取締役の3分の1以上を独立した社外取締役にすることになった。これは、50%以上の株式をコントロールできる支配株主がいない、サラリーマン経営者の企業の場合である。支配株主である創業者がいるようなオーナー企業は、社外取締役を過半数にするか特別委員会を設置するか、どちらかの選択となる。特別委員会は、支配株主と子会社の取引に問題がないかを精査する役割を担う組織だ。
スキル開示や多様性促進も
このほか、取締役の知識や経験、能力などを一覧にしたスキル・マトリックスの開示や取締役会のダイバーシティの促進、さらには事業ポートフォリオに関する基本的な方針などを開示することなども求めている(下の表)。上場企業は、新たなガバナンスコードに対する方針を年内か、来年4月以降の株主総会までに決める必要があるという。
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