青果店の退潮が止まらない一方、都市部には競争力のある繁盛店が点在する。実際に店頭に立ち調査した結果、その強さを支える原理の一端は、経営学の新理論として注目を集める「エフェクチュエーション」に合致するのだ。

松田温郎[まつだ・あつろう]
山口大学経済学部准教授
1984年生まれ。神戸大学大学院で博士号取得。主著は『小売商のフィールドワーク:八百屋の品揃えと商品取扱い技術』(碩学舎、日本商業学会学会賞・奨励賞)。

 青果店の全国的な退潮に歯止めがかからない。スーパーやディスカウントストアの店舗が広がる中、青果店は店舗数が過去40年ほどで7割も減少、全体の年間の商品販売額も5割減となった。典型的な衰退市場だが、一方で都市部を中心に競争力のある青果店も点在する。「元気な八百屋さん」は店頭がいつも顧客でにぎわっており、近隣のスーパーなどとの競争に負けていない。その強みはどこにあるのか。私は2011年から6年間、関西の繁盛する青果店2カ所で店頭に一緒に立ち、70回の調査を実施(上の写真、中央が筆者)。ユニークな戦略が見えてきた。

青果店の店舗数は40年で3分の1以下に減少している
●青果店の店舗数と販売額の推移
出所: 2016年版経済センサス、商業統計時系列データ

繁盛のコツは「完売させる順番」

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