日本では、政治など意思決定の場における女性比率が、世界と比べて極めて低い。世界はクオータ制などで1990年代から改革を進めた。日本も取り組む時だ。

三浦 まり[みうら・まり]
上智大学法学部教授
1991年慶応義塾大学法学部卒業。東京大学社会科学研究所研究機関研究員、上智大学法学部助教授を経て現職。専門はジェンダーと政治、福祉国家論。
(写真=共同通信)

 東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長だった森喜朗氏が今年2月の日本オリンピック委員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと女性蔑視発言をして、会長を辞任したことは記憶に新しい。明らかな性差別であり、意思決定の場への女性の参加を阻害し、恫喝(どうかつ)した発言だと思う。

 森氏が辞任せざるを得ないところまで批判が高まったのは、日本社会が成熟してきたことの証しだろう。ただ、意思決定の場、特に政治の場では女性の参画は世界に比べて全く低い。将来に向けて社会をさらに進化させるためには、本気の改革が必要だ。

北京会議を境に内外差拡大

 国会では、女性議員の比率は衆議院で9.9%、参議院も22.9%にすぎない(下表参照)。自治体の首長はさらに低い。世界を見渡してみれば、日本の低さは際立つ。下院(日本は衆議院)ではメキシコ48.2%、フランス39.5%、英国33.8%などの国々とは比較にならない(下グラフ)。

国会、地方とも非常に低い
●女性議員、首長の比率
出所:衆議院、参議院資料、総務省「地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調」などを基に本誌作成
注:国会議員は2021年4月1日時点、自治体は19年末時点
日本は圧倒的に低い
●各国の下院に占める女性議員比率
出所:IPU、内閣府資料から本誌作成
注:2020年1月時点。日本は衆議院

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