日本では、政治など意思決定の場における女性比率が、世界と比べて極めて低い。世界はクオータ制などで1990年代から改革を進めた。日本も取り組む時だ。
上智大学法学部教授


東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長だった森喜朗氏が今年2月の日本オリンピック委員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと女性蔑視発言をして、会長を辞任したことは記憶に新しい。明らかな性差別であり、意思決定の場への女性の参加を阻害し、恫喝(どうかつ)した発言だと思う。
森氏が辞任せざるを得ないところまで批判が高まったのは、日本社会が成熟してきたことの証しだろう。ただ、意思決定の場、特に政治の場では女性の参画は世界に比べて全く低い。将来に向けて社会をさらに進化させるためには、本気の改革が必要だ。
北京会議を境に内外差拡大
国会では、女性議員の比率は衆議院で9.9%、参議院も22.9%にすぎない(下表参照)。自治体の首長はさらに低い。世界を見渡してみれば、日本の低さは際立つ。下院(日本は衆議院)ではメキシコ48.2%、フランス39.5%、英国33.8%などの国々とは比較にならない(下グラフ)。
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