新型コロナウイルスの感染拡大で、パート・アルバイトの就労時間が激減している。女性では約103万人が失業に近い状態だ。対策は社会が「コロナ対応力」を付けることにもなる。
野村総合研究所 上級コンサルタント

新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の生活に大きな影響を与えている。特に外食やホテルなど宿泊産業で働くパート・アルバイトの方たちは、緊急事態宣言に伴う営業時間の短縮や、消費者の行動抑制による需要減で店舗が休業したことなどによって大きな就労時間減に追い込まれている。
それはパート・アルバイトの方たちの収入減に直結し、中には生活が困窮する人たちもいる。野村総合研究所が今年2月にインターネットを利用して約6万5000人のパート・アルバイト就業者(20~59歳)を対象に実施した調査では、仕事が大幅に減り実質的失業といえる厳しい状況にある人が女性で103.1万人、男性で43.4万人に達していると推計できた。
新型コロナは、ワクチン接種が始まったものの収束にはかなりの時間が必要になる。また、遠くない将来もこうした感染症のパンデミック(世界的大流行)は起こり得る。こうした苦境にある人たちの実態を正しく知り、対策を講じておくことは、社会が、医療とは異なる意味でパンデミックへの対応力を付けることになるはずだ。
今回の調査でまず浮き彫りになったのは、パート・アルバイトの方たちの就労時間が大きく減っていることだ。コロナ以前と比較しての就労時間を聞いたところ、女性の約29%が「コロナ前と比べて、シフトが減少」していた(下グラフ参照)。シフト減とは、以前、週3日勤務だったのが週1日になるとか、1日6時間働いていたのが3時間になったといったものだ。
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