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企業に創造をもたらす「社内イノベーター」は周囲とのギャップに不満を持つことがある。「起業家志向性」という指標から、こうした「社内イノベーター」のジレンマを乗り越える方法が見えてきた。

山本 聡[やまもと・さとし]
東洋大学経営学部教授
1978年生まれ。英ウォーリック大学大学院などを経て、一橋大学大学院で博士号取得。東京経済大学准教授を経て2019年から現職。

 アントレプレナーシップは「起業家精神」と訳されることが多く、スタートアップを立ち上げる人が対象だと思う人が多いかもしれない。しかし、実際には企業内で新たな取り組みを進めるうえでも、アントレプレナーシップという言葉が想起する創造性は欠かせない。企業で働く社員にとってアントレプレナーシップは新たな顧客や市場、事業を創出する原動力になるからだ。

 もちろん、社員のアントレプレナーシップには個人差がある。起業家的な気質が高い社員もいれば、言われたままの社員もいる。よく社員は仕事ができる、普通、できないの比率が2・6・2の比率だと言われたりするが、アントレプレナーシップも一様ではない。