新型コロナウイルスとの戦いで、自粛生活が続く消費者。統計行政の新たな取り組みから、変化がリアルに浮かび上がった。

小西葉子[こにし・ようこ]
経済産業研究所上席研究員
1974年生まれ。2003年、名古屋大学大学院で経済学博士号取得(Ph.D.)。一橋大学経済研究所講師、米エール大学客員研究員などを経て08年から現職。専門は計量経済学。大阪大学経済学研究科特任教授(常勤)。

 3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う政府の外出自粛要請やSNS(交流サイト)を通じた情報の拡散などにより、消費者の購買行動に大きな変化が起きた。筆者は2016年から計量経済学者として、経済産業省でビッグデータを活用するためのプロジェクトに参画。19年度はインテージ社とGfK Japan社という民間企業のPOSデータを用いた新指標を開発し、毎週金曜日に週次の販売動向の最新データを公表してきた。週次で店頭の販売実績データが得られ、大きなショックがあった時の変化を機動的に把握できる。

 ここでは、新型コロナウイルスの感染が拡大するにつれ消費者の購買行動がどのように変化してきたのか紹介したい。スーパーとドラッグストアはインテージ社が持っている全国4000店のPOSデータ、家電量販店については業界の100%近いPOSデータを持っているGfK社のPOSデータである。

数字で分かる消費者の異変

 まず、スーパーの食品の販売動向だ。生活必需品である食品は通常、例年、ほぼ同じように売れる傾向だ。しかし、前年同週比の販売額を示した下のグラフからは、明らかな「異変」が見て取れた。

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