「全てを保険で」の見直しを
「公的保険の給付にメリハリを付けるべきか」という議論そのものは、もはやタブーではなくなった。高額すぎ、財政への影響が大きすぎるものを保険でカバーしないと決めるのか、もしくは多くの人が使うが安価な薬を自己負担にすべきか、あるいはコストパフォーマンスの悪い薬は保険適用外にするのか。より具体的な議論をする段階だ。

例えば、高血圧の治療薬は1カ月の薬剤費だけでみると数千~1万円程度だが、患者数は1000万人以上のため、年間の薬剤費は約8000億~9000億円にのぼる。単価だけで見て超高額とされたキムリア、あるいはキムリアが含まれるCAR-T療法全体と比較しても、保険財政へのインパクトはこちらのほうがむしろ大きい。
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