ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を復活させたマーケティングのプロ。今度は沖縄で、2025年に新たなテーマパークを開業させる。さらにその目線の先にあるものとは。

(聞き手は 本誌編集長 磯貝 高行)

(写真=菅野 勝男)
(写真=菅野 勝男)
PROFILE

森岡 毅[もりおか・つよし] 氏
1972年生まれ。神戸大学経営学部卒業後、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)。北米パンテーンのブランドマネージャーやウエラジャパン副代表などを経て、2010年にユニバーサル・スタジオ・ジャパン運営会社。12年、CMO(最高マーケティング責任者)。17年に退社後、マーケティング分野のコンサルティングなどを手掛ける「刀」を創業。兵庫県出身。趣味は狩猟、ゲーム。

新しいテーマパークを2025年に沖縄で開業させますね。

 23年2月7日に起工式を開き、工事を始めました。場所は沖縄県北部で、投資規模は700億円前後となります。刀は運営会社の最大株主です。

 沖縄旅行の滞在は、3泊目が難しいといわれていますが、沖縄パークができれば5~6時間長くなり、もう1泊する人が増える。沖縄はアジアから近く、海外観光客を呼び込みやすいこともあって日本の観光戦略の要になるのは自明です。

 パークでは海や山といった大自然を生かします。豊かな自然の中で大切な家族や恋人、友人と一緒に訪れたときに、一生の思い出になったと骨の髄まで記憶に刻まれるようにするにはどんな体験を用意すればよいか。アイデアをかなり練りました。

 例えば、南国リゾートでゆったりとした時間を過ごしにきた人にジェットコースターがある富士急ハイランドのような施設を提供するのは違う。多くの人は沖縄にパワースポット的なものやスピリチュアルなものを感じている。訪れるとエンパワーしてくれる、そんな期待を増幅させる装置としてパークを設計しています。

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