商社業界最高となる9000億円超の最終利益を達成した三菱商事の社長に今春、就任した。再生可能エネルギー担当役員として、日本の洋上風力発電の入札「総取り」などに手腕を発揮。国富の流出を防ぎ、日本の競争力を高めたいと熱く語る。

(聞き手は 本誌編集長 磯貝 高行)

(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)
PROFILE

中西勝也[なかにし・かつや] 氏
1960年、大阪府出身。85年に東京大学教養学部を卒業し、同年三菱商事に入社。コロンビアやメキシコ、米ニューヨーク、ドバイなど様々な地域に赴任。2016年に執行役員、19年に電力ソリューショングループCEO(最高経営責任者)を務めるなど再生可能エネルギーへの知見が深い。22年4月に社長、6月に代表取締役社長。

ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」について、三菱商事は新たな運営会社への参画を申請し、承認されました。

 正確にお伝えすると、ロシア政府から新会社に参画するかどうか、意思表示を求められたので通知し、その返信が8月31日に届いたというものです。運営会社に出資していた英石油大手シェルは再参画の意思表示をしておらず、代わりとなる新たなパートナー企業が決まるまで、長くて4カ月かかるとされています。

 その後、ジョイントベンチャーアグリーメント(複数企業でつくる合弁会社に関わる契約)の改訂が始まります。これからの交渉だとご理解ください。

 新たな運営会社に関する(三菱商事の)交渉とは別に、(サハリン2から天然ガスなどを調達する)日本の電力会社やガス会社との供給契約に関する交渉は並行して進んでいます。新会社に出資する側と、新会社と売買契約を結ぶ側の交渉は同じというわけではありません。

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