携帯翻訳機の「ポケトーク」事業を2月に新会社として分社した。ポケトークは海外で急成長しており、機能拡充も視野に入れる。今後の成長の種は?そして語学学習の未来像とは?

(聞き手は 本誌編集長 磯貝 高行)

(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)
PROFILE

松田憲幸[まつだ・のりゆき] 氏
1965年兵庫県生まれ。89年大阪府立大学(現・大阪公立大学)工学部卒、日本アイ・ビー・エム入社。96年ソースネクスト設立。2006年に東証マザーズ、08年東証1部に上場。21年から現職。22年に携帯翻訳機事業を分社し、新会社ポケトーク(東京・港)の社長兼CEO(最高経営責任者)に。一番影響を受けた経営者は、8月に逝去した京セラ創業者・稲盛和夫氏。同氏主宰の盛和塾に通い、ソースネクストの経営が苦しかった時には「稲盛氏の肉声CDを何度も聞いた」。

ポケトークは新型コロナウイルス禍による海外旅行離れの影響を受けました。今、売れ行きはいかがですか。

 やはり日本は厳しいです。ただ、米国での売上高は2022年4~6月期に前年同期比2.3倍と伸びています。学校や病院、物流業などで需要があります。米国に住む人の20%は英語が問題なく使えるとは言えず、言葉の壁が存在しています。旅行とは関係ない需要がある点が大きいです。

累計販売台数は。

 日本が90万台近く、米国は10万台ほどです。直近だと米国と日本の販売台数はほぼ変わりません。コロナ前は年間約90億円あった売上高が7~8割減りました。日本は落ち込みが大きく、米国が補っていると言えるかもしれません。

スマートフォン向けアプリなどの新商品を出されていますね。

 アプリは日本を皮切りに、9月5日にはアジアや米国でもリリースしました。端末の場合、国ごとに一つひとつ技適(技術基準適合証明)的な認証を取らないといけません。アプリだと展開しやすく、アジアでは結構拡大が見込めると思います。

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