NTTが国内外で、大胆なグループ再編を進めている。重複した事業の無駄を省き、収益力を向上させる。革新的な通信技術も開発し、目指すのは世界での復権だ。

(聞き手は 本誌編集長 磯貝 高行)

(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)
PROFILE

島田 明[しまだ・あきら]氏
1957年、東京都生まれ。81年一橋大学商学部卒、日本電信電話公社(現NTT)入社。NTTヨーロッパで副社長として、NTTで初めてとなる国際通信ネットワークサービスの構築・営業に携わる。2007年西日本電信電話財務部長、11年東日本電信電話取締役総務人事部長を経て15年NTT常務取締役、18年代表取締役副社長。22年6月から現職。

澤田純前社長のバトンを引き継いで6月に社長に就任されました。澤田氏は、NTTとして26年ぶりに代表権のある会長に就きましたが、役割をどのように分担していくのでしょうか。

 澤田会長は7月に実施したNTTドコモとNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアの統合や、10月に予定しているグループ海外事業の統合を決めました。私の課題はこれら2つの大きな再編をしっかり実行し、成果を出していくことです。

 グローバルについては、幅広い分野で事業展開しているため澤田会長にサポートしてもらいます。

5G普及をにらんだ再編

3社を統合した「新生ドコモ」が目指すのはどんな企業ですか。

 基本はコンシューマーと法人のサービスをすべてカバーする事業体です。今まで法人事業はNTTコミュニケーションズが担ってきました。同社はもともと固定通信網を利用したソリューションサービスを提供している会社です。

 一方のドコモは、「固定のネットワークとは別のネットワークをつくらなくてはならない」という規制のもとで、コンシューマーの携帯電話サービスを提供してきました。法人向けの回線ビジネスも手掛けていましたが、ソリューションという形での提案はできていませんでした。

 これからは超高速大容量の性質を持つ5Gに、超低遅延と多数同時接続という特徴が加わります。そうすると、固定の専用線のようなサービスは5Gの無線サービスに置き換わっていくでしょう。そのため今、法人サービスを統合することが非常に重要なのです。