中期経営計画の未達成の責任を取って辞任した前社長の後を受けて20年に就任した。コロナ禍で厳しい経営環境が続く中、2030年のあるべき姿を見据えて成長を模索する。建設業界の「再編」の必要性を唱え、自ら主導しようとしている。

(聞き手は 本誌編集長 磯貝 高行)

(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)
PROFILE

相川 善郎[あいかわ・よしろう]氏
1957年長崎県生まれ。80年に東京大学工学部建築学科卒業後、大成建設入社。建築畑の経験が長く、2013年執行役員就任。16年から常務執行役員として営業総本部を担当。19年からは全国の建築現場を管轄し、取締役に。建築現場の品質と安全の確保に努めた。取締役専務執行役員を経て20年6月から現職。趣味は全国の日本庭園巡りで、作庭家・夢窓疎石の「山水に得失なし 得失は人心にあり」の教えを座右の銘としている。

東京五輪が閉会し、建設市場の特需も収束しました。中期的に国内市場をどのように見通していますか。

 土木事業は公共需要が多く、今後10年間はほとんど変わらないでしょう。民間の割合が多い建築は、五輪需要の一服で昨年から今年にかけて少し落ち込んでいますが、投資は徐々に戻ってくると見ています。

 五輪需要は2年ほど前にほぼ落ち着きましたが、五輪が終わってから投資をしようという顧客が今年ぐらいから動き始めています。ただ、産業によってプラスマイナスになっている感じはありますね。コロナ禍の影響で、交通インフラ系や観光系の顧客が建設投資を控えたり、見直したりという話は少なくありません。その一方で、世界的な半導体不足の流れを受けて、電子関連の生産施設の需要が急激に出始めています。

足元の業績を見ると、2021年4~6月期は営業利益が前年同期比でかなり落ち込みました。大手ゼネコン各社とも減益でしたが、受注競争が厳しくなっているのでしょうか。

 そうですね。13年に五輪開催が決まってから建設需要がぐっと伸びてきたのですが、19年ごろからその投資が収まって案件が減り始めました。建築市場の環境が厳しくなるにつれて価格競争が激しさを増しました。20~21年は近年まれに見る厳しい競争環境でした。

 その影響で今年度の第1四半期は利益の面でかなり厳しいところがありました。この状況がいつまで続くかといえば、私はあと1年ぐらい我慢すれば底を打っているのではないか、という感覚です。

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