緊急登板の形で6月、経団連の新会長に就任。他界した中西宏明氏の後を継いだ。資本主義の再構築を掲げた中西イズムを継承し、社会全体を代表する経団連を目指す。環境対策でも各業界をまとめる意欲を燃やす。

(聞き手は 本誌編集長 磯貝 高行)

(写真=花井 智子)
PROFILE

十倉雅和[とくら・まさかず]氏
1950年兵庫県生まれ。74年東京大学経済学部卒。同年、住友化学工業(現・住友化学)入社。98年精密化学業務室部長、2006年常務執行役員、09年専務執行役員、11年社長、19年から会長。経団連では15〜19年に副会長、21年6月から現職。

前会長の中西宏明さんが6月に他界されました。4月に次期会長を打診された時の率直な感想を教えてください。

 中西さんは国を憂う経営者であったと、かねがね尊敬の念を抱いていました。その一方、明朗快活な人柄と、あのチャーミングな笑顔が印象的でした。経団連会長の任期途中でリンパ腫という大病を患いながら、IT(情報技術)を駆使して陣頭指揮を執られた。その不屈の精神に敬服しています。

 働き方改革、デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーン成長とエネルギー問題など、常にグローバルな視点から日本の課題解決に取り組み、発信し続けられました。心よりご冥福をお祈り申し上げるとともに、その意思を継ぐ覚悟です。

 4月15日には久保田(政一)事務総長が来られ、中西会長から私への経団連会長の就任要請をお聞きしました。驚いて言葉を失いながら、道半ばでの中西さんの無念さが胸に込み上げてきました。経団連会長は大変難しい立場で、さあ任期最後の1年で総仕上げという思いだったのを知っていましたから。

 その前の3月に中西さんと電話でお話したときに、中西さんはご自身の復帰時期について「医者が慎重なんですよ」とおっしゃっていた。仕事についてはやる気に満ちた声だったので、本当に無念だったと思います。

続きを読む 2/4 中西氏との「義」を貫く

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