経営破綻から再生の道を歩んだ日本航空(JAL)が新型コロナウイルス禍で大打撃を受けた。ワクチン接種が進み始めているが、視界良好とはとても言えない。ポストコロナを見据え、再び成長に向けて描く針路とは。

(聞き手は 本誌編集長 磯貝 高行)

(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)
PROFILE

赤坂祐二[あかさか・ゆうじ]氏
1962年北海道生まれ。87年東京大学大学院修了、日本航空入社。入社以来、一貫して整備畑を歩む。2001年羽田整備事業部生産計画グループ長、09年から安全推進本部部長兼ご被災者相談部長を務めた。14年に執行役員となり、JALエンジニアリング社長、16年常務執行役員。18年4月から現職。

新型コロナウイルス禍によって、訪日観光客(インバウンド)の需要に沸いていた航空市場が一変しました。

 コロナ禍がこんなに長くなるとは思いませんでした。状況は目まぐるしく変わりましたが、おおむね前半と後半で分かれていたように思います。前半は、感染拡大のため飛行機を止めなければいけない一方で、医療従事者の移動やマスクの輸送などのためネットワークを維持しなければならなかった。そういう相反した状況にありました。

 後半になると経営の先行きを深く考える必要性が高まり、コストを下げなければならなくなった。そのためには減便が欠かせませんが、先ほどのようにネットワークの維持も求められる。毎週毎週、バランスを取るため便数をどうするか、というのが悩みでした。

今後の事業環境をどう見ますか。

 国際線も国内線も、需要の回復が始まるのは秋口ぐらいからと予想しています。海外を見ると、需要の回復はワクチンの接種率が大きく左右しており、日本で考えると、人の移動ができるくらいの接種率になるのは秋ぐらいだからです。ただ、回復のスピードには国際線と国内線で差が出る。国内線は比較的すぐ戻ると想定していますが、国際線はあと2年ぐらいかかるでしょう。

続きを読む 2/3 踏ん張れた一因は貨物

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