米スペースXがロケットを連続で打ち上げるなど、宇宙事業がビジネスとして成立し始めた。アクセルスペースは今春、小型衛星5基の運用を開始。地球観測事業が軌道に乗りつつある。宇宙スタートアップの旗手は収益化の先に何を目指すのか。

(聞き手は 本誌編集長 磯貝 高行)

(写真=陶山 勉)
PROFILE

中村 友哉[なかむら・ゆうや]氏
1979年、三重県生まれ。2007年東京大学大学院航空宇宙工学専攻博士課程を修了。在学中に超小型衛星のパイオニアである中須賀真一東大大学院教授に師事。3基の衛星開発に携わった。同専攻での特任研究員を経て、08年にアクセルスペースを設立し、代表取締役に就任。13年に民間から受託した気象衛星の運用に初めて成功した。15年から政府の宇宙政策委員会宇宙産業・科学技術基盤部会委員。

3月に超小型衛星4基の同時打ち上げに成功しました。衛星から写した地表の画像を使うアクセルスペースのサービスはどう変わっていくのでしょうか。

4基の衛星の打ち上げをロシア企業に依頼し、カザフスタンの基地から発射、軌道投入に成功

 2018年末に最初の衛星を打ち上げており、今回4基を軌道に乗せたことで5基体制のサービスを6月に始める予定です。5基になると世界中のすべてのエリアを2日に1回観測できるようになります。1基だと2週間に1回の撮影ですから。これまではテストのような使い方をしてくださるお客様が多く、どうしても本格的に使おうとはならなかったわけですが、ようやく実用段階に入ってきました。

 08年の会社設立以来、特定の顧客向けに専用衛星を開発、製造して打ち上げまでワンストップで提供してきました。最初は(気象衛星サービスの)ウェザーニューズ向け。最近は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星も開発しています。

 もう一つの事業が多くの衛星を打ち上げて運用し、撮影した画像を提供するサービスです。超小型衛星により低リスク、低コストで、宇宙をビジネスに活用できる。4基の打ち上げにより、この事業が実現に近づきます。

 衛星はサイズが大きければ、やはり高度なことができる。単に小さな衛星を1個打ち上げるだけでは、安いけどデータもまあまあだよね、みたいな位置付けになってしまう。それを避けたくて、小型衛星だからこそできることを考え、出てきたアイデアがコンステレーションという手法でした。衛星をたくさん打ち上げて連携させます。

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