国内最大規模を誇るホテルチェーンも1、2月の客室稼働率は1割にまで追い込まれた。東京五輪によるインバウンド需要で反転に持ち込むシナリオも練り直しを迫られている。ホテルとは何なのかを考え直し、恒久的な改革に取り組み始めた。

(聞き手は 本誌編集長 磯貝 高行)

(写真=的野 弘路)
PROFILE

小山 正彦[こやま・まさひこ]氏
1956年、兵庫県生まれ。79年に立命館大学を卒業し、同年に発足した社会人野球チームの1期生としてプリンスホテルに入社。2001年大津プリンスホテル支配人。06年に執行役員となり品川プリンスホテル総支配人などを務める。15年常務執行役員。16年取締役常務執行役員、西日本エリア担当兼西日本エリア統括総支配人。18年4月、取締役副社長執行役員兼セールス&マーケティング本部長。18年6月、代表取締役社長執行役員。

コロナがいったん落ち着いた昨年後半から、再び緊急事態宣言が発令された今年初めにかけて、ホテル事業の状況はいかがでしょうか。

 10月、11月とGo To トラベルキャンペーンの効果で客室稼働率が前年比5割ぐらいまで回復しましたが、緊急事態宣言で急ブレーキがかかって、1月、2月の稼働率は10%ぐらいです。非常に厳しい状況に戻ってしまいました。

東京五輪・パラリンピックでは海外からの一般客の受け入れを見送ります。本来であれば観光需要を取り戻す起爆剤になるはずでした。トンネルの出口はいつごろになると見ていますか。

 五輪は開催すること自体は決まったのだろうと受け止めています。海外からの観客は見送られるようですが、選手や大会関係者は相当来ると思います。日本のいいところをPRする光明であることは間違いない。オリンピックを機に少しずつでも旅行需要が戻ってくるという期待はあります。

 今後のポイントはインバウンドと(国際会議や学会、企業のイベントなどの)MICEの需要がどういう形で戻ってくるか。インバウンドが戻り始めるのは、2022年の北京冬季五輪がきっかけとなるか、もしくは23年度ぐらいになるのではないかと思っています。まずは台湾や中国といった近隣地域から戻ってくることになるでしょう。そこに合わせて我々としても仕掛けていく必要があります。

 MICEはワクチンの普及に大きく影響されると思うので、これも1年あるいはもう少しかかるかもしれない。不吉な広がり方をしている変異ウイルスの行方によると考えています。

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