疑心暗鬼だった

こっそりやった場合のペナルティーの決め方も明確化したようですね。

 そうです。一番厳しい処分は契約の解消です。コンプライアンス委員会などで弁護士を含めて判断してもらい、最終的に会社として処分を決めることになります。

タレントの契約の形はどうなっているのでしょうか。

 今ではきちんと書面化して①所属覚書②専属マネジメント③専属エージェント──という3パターンを作りました。所属覚書は、吉本興業に所属するタレントとしてコンプライアンスを順守して活動する。全体の9割が所属覚書です。

問題発覚後の会社の対応にも批判が集まりました。記者会見が遅く、宮迫博之さんたちが会見するのも待てと言ったからでしょう。なぜそうなったのですか。

<span class="fontBold">宮迫博之さん(左)と田村亮さん2人が謝罪会見をした</span>(写真=アフロ)
宮迫博之さん(左)と田村亮さん2人が謝罪会見をした(写真=アフロ)

 (闇営業の仕事で)ギャラをもらったかと聞いたときに、彼らは「もらっていない」と言ったのに、途中で「もらった」と変わった。何より、犯罪で集めたお金をもらったという意識がタレント側になかったのは深刻な問題でした。

 弁護士も含めて事細かく話を整理している最中に、今度は「自分たちは早く会見をやりたい」と言い始めた。でも会社としては、また違う情報が出てくるんじゃないかと疑心暗鬼になる。もう、大混乱でした。

岡本さん自身が出席した会社としての記者会見も5時間とロングランでした。あの記者会見も難しかったのではないでしょうか。

 そうですね。従来の芸能ネタとして、ワイドショーの範囲を超えてしまいました。今までは社会部の記者が会見に来るとかはなかったので。会社としては反社との関わりも全くないのですが……。

 後に、あるテレビ局の人に聞いたんです。「何であんなにうちのことを放送したん?」って。そうしたら「めちゃくちゃ数字が取れんねん」と。笑うしかなかったですね。

 報道のされ方など言いたいことはありますが、情報を会社としてどう出していくか、というのはとても勉強になりました。

仮に同じことがもう一度起こったら、内容が二転三転するリスクを承知でもっと早く会見するのでしょうか。

 あの時はギャラをもらった、もらってないということに話が引っ張られましたが、そもそもあのような場所に行ったことがダメです。

 ですから、まずそこの問題で自粛するとか、1回会見して仕切りを入れるのがいいのでしょう。そして「これから精査して結果を報告する」と言えば、多少時間がかかっても世の中は納得してくれると思います。

吉本がギャラを搾取しているという報道で会社が悪いというイメージも広がりました。実際はどうなんですか。

 テレビのギャラは基本は会社とタレントが折半です。一定額以上ならタレントが6で会社が4ということもありますが、会社の取り分は最大でも半分。ただ今まではテレビから頂く金額をタレントに特段明示していませんでした。だから搾取していると誤解されました。

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