数だけ追う部分は若干あった

「Go To」は賛否両論ありましたが、観光業界で働く方の気持ちの上でも、随分救われているという印象を受けました。

 観光というのはいろいろな方々で成り立ち、地域に魅力を生んでいます。宿泊だけじゃなくて、タクシー、おみやげ屋さん、エンターテインメント。これらが事業を継続できるぎりぎりのところにあります。Go Toは非常にありがたいキャンペーンだと思っています。

コロナ以前を振り返ると、インバウンドがあふれ、クオリティーに合わないような料金を取ったり、混雑しすぎたりする観光地もありました。コロナはそれを見直す機会になるのではありませんか。

 政府が観光立国を宣言し、600万人だったインバウンドは3000万人に増え、今までなかったような形態の観光事業者が生まれました。民泊にしても、それ自体は非常にいいことです。多様なマーケットに対応でき、観光産業が厚みのあるものになりました。

 一方で、オーバーツーリズムの問題が、ずっと言われています。特に京都。動き始めたアジアの巨大な人口に対応するため、数だけ追いかける部分というのは若干あったと思います。

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