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 新型コロナウイルスの流行により、かつてない逆風に外食産業が翻弄されている。低価格イタリアンのメニューや店づくりに科学の視点を持ち込んだ先駆者も苦境に立つ。どう生き抜こうとしているのか、解決策を聞いた。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=的野 弘路)
PROFILE

堀埜一成[ほりの・いっせい]氏
1957年富山県生まれ。81年3月京都大学大学院農学研究科修了。同年4月、味の素入社。グルタミン酸ナトリウムの製造、医薬用アミノ酸の製造・改良などに従事する。2000年4月、サイゼリヤ入社。同年11月、取締役就任。神奈川工場や福島工場、オーストラリア工場を立ち上げる。エンジニアリング部長を経て09年4月社長に就任。

4月の売上高は前年同月比で33%にまで落ち込みました。足元の状況はどうなっていますか。

 7月は戻ってきたんです。前年比で72%ぐらい。間引いたことで残った座席の比率が81%、さらに営業時間を縮めたことで稼働時間が86%でしょう。実質の時間あたりで見ると100%戻っているんです。しかし、これからが問題。第2波で見えなくなった。

 知事さんたちの対応が私たちには悪い方に影響しています。午後10時からの営業自粛は予測通り。準備はできていましたが、自治体の方々の「自粛するか、しないか」というゼロかイチかの考え方には困っています。それでは我々は潰れてしまいます。補助金などの支援も対象は票になる中小事業者ばかり。これまでに数十店潰れたと言いますが、弊社が持つ1000店が潰れると社会的影響は格段に大きい。海外だと、こんな区別はまずありえない。政府や自治体に助けてもらえないなら、我々は自衛していかないといけない。それはいちばん大事なところです。

日経ビジネス2020年8月17日号 70~73ページより目次