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新型コロナウイルスの感染拡大で激震に揺れる航空業界。順調に再建が進んできたかに見えたスカイマークに再び暗雲が垂れ込めてきた。危機をどう乗り切るのか、その後の業界はどうあるべきか。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=陶山 勉)
PROFILE

佐山展生[さやま・のぶお]氏
スカイマーク会長。1953年生まれ、京都府出身。76年京都大学工学部卒業後、帝人に入社。その後三井銀行(現・三井住友銀行)やユニゾン・キャピタル代表取締役、GCA代表取締役パートナーなどを経て、2008年からインテグラル代表取締役パートナー。15年に現職。66歳。

新型コロナウイルスの感染拡大は航空業界にとって大きな試練です。

 厳しいです。通常は1日に150~160便運航し、2万人以上に利用いただいているのですが、ゴールデンウイーク直前のある日は46便を飛ばし、利用者数は1400人台だった。こんな日が続いています。利用が90%以上減っている計算です。

1カ月ほど前までのメディアのインタビューではまだ余裕がある印象でした。スカイマークには他社にない強みが3つあると。

 2月の搭乗率は80.6%でした。例年よりは低いものの、恐らく他社よりはいいと思います。国際線がほとんどないことと、利用客のほとんどが日本人でインバウンドに頼っていないことが効いて高い搭乗率を維持できていましたが、3月になると日本でも影響が広がってきて、搭乗率は55.2%まで下がりました。

 2月に入ったころかな。インタビューで記者に全便欠航になった場合はどうなるのかと聞かれました。その時は正直なところ「全便欠航なんてあるはずないのに」と思っていたのですが、現在はそれに近い状況です。キャッシュフローの流出は当時の想定より早く進んでいます。

資金的な余力はスカイマークが一番あると言っていましたよね。

 それは(財務の厳しい)同業他社と比べただけですよ。今は業界全体が大変です。ただ、弊社の社員が心配しないよう、スカイマークの現状はこうだと付け加えた。メッセージとしては、個社がどうのこうのということではなく、航空業界に早く政府が支援をしないといけない、という話だった。

日経ビジネス2020年5月18日号 62~65ページより目次