グーグルには勝てない
今までのゲームというのは、テキストデータの世界での戦いということですか。
深層学習はデータ量の勝負の世界です。テキストデータは米グーグルや米フェイスブックなどがいっぱい持っていて、僕たちがどう頑張っても勝てない。でも機械のデータに目を向けるとほとんど相手にされていない。そこには、手つかずのデータがいっぱいあるんです。
機械から生み出されたデータと深層学習の組み合わせというのは、僕らとしても非常にユニークに思えました。そこで勝負をしようと決めてからの速度は速かったかなとは思います。
2つの変化の波をタイミングよく捉えたんですね。
そうですね。結果的にみると、すごく運が良かった。
そもそも大学院生のときに最初の会社を立ち上げられていますが、どういうものを目指して起業したのですか。研究を続けたり、それこそグーグルに就職したりする道もあったと思いますが。
コンピューターを作りたいと小さいころから思っていましたので、米IBMや米インテルに入る道も考えていました。でもバイオベンチャーでアルバイトをしたときに、小さい会社で自分たちのやりたいように仕事をするというのは、これはこれで楽しそうだなと。組織の中に入ると、いろいろしがらみもありそうですが、そういうものから解放されて好きなことができる環境に魅力を感じたんですね。そうしたら会社を作りたいという思いが止まらなくなってしまったんです。
東大の大学院まで行って、親御さんは反対しなかったですか。
最初はものすごく反対されました。会社をつぶしちゃうかもしれないし、大変なんじゃないの、やめた方がいいと。でも、無視して始めてしまいました。
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