集中すべきところに集中できる

研究開発費に限りがある中では、研究対象もある程度絞り込む必要があると思います。そのリスクをどう考えていますか。

 中外製薬の研究開発費は年間約1000億円です。例えばロシュは10倍の1兆1000億円です。1000億円で何ができるか。やはり選択と集中なんです。遺伝子治療もやろう、細胞治療もやろうと言い始めると、広く薄くなって薬が出なくなります。ただ、研究対象を絞り込みすぎるのもまずい。技術は進化していきます。だから、周辺の技術はいつもウオッチしています。

ロシュが後ろ盾になっている利点は何ですか。

 ロシュとジェネンテックから出てきた製品を日本市場に投入する際、中外製薬が販売します。つまり、1兆1000億円の果実が全部手に入るのです。自社品に比べれば導入品なので利益率は落ちますが、日々の売り上げは確保できます。その上で、ロシュを通して、あるいは第三者を通して、自社品をグローバルに販売する。こういうビジネスモデルだから、集中すべきところにしっかりと集中できるわけです。

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