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95年ぶりに社外から招請されたCEOとして、低成長からの脱却を目指す。米スターバックスの製品販売権を取得し、“植物肉バーガー”にも進出。イノベーションを加速する。持続成長のための改革とは。日本メディア初の独占インタビュー。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=的野 弘路)
PROFILE

マーク・シュナイダー[Mark Schneider]氏
1965年生まれ。米国とドイツの国籍を持ち、独英仏3カ国語を話す。スイスのザンクトガレン大学で博士号、米ハーバード大学で経営学修士(MBA)。89年から独複合企業ハニエル・グループ、2001年から透析器大手の独フレゼニウス・メディカル・ケアCFO(最高財務責任者)、03年からフレゼニウス ・グループCEO(最高経営責任者)。17年からネスレCEO。

2017年1月に、世界最大の食品企業スイスのネスレにCEO(最高経営責任者)として招請されてから、再び成長軌道に乗せるために改革を急いできました。シュナイダーさんがCEOになるまで、年率5~6%のオーガニックグロース(M&A=合併・買収や為替の影響を除いた売り上げの伸び率)を目指していましたが、13年12月期から未達が続き17年12月期には2.4%まで減速しました。
 投資家はこうした状況に厳しい目を向けていましたが、18年12月期に市場に約束していた3%の成長を達成し、見方は変わってきたようです(編集部注:2019年上半期は3.6%)。どのような改革をしているのですか。

 まずご理解いただきたいのは、食品・飲料業界では比較的、ネスレの業績は常に良い方だったということです。業界全体はここ何年か減速気味で、特に大企業にその傾向が強かったのですが、ご覧の通り、私たちは成長を再び加速するための対処ができました。

CEO就任後、アクティビスト(物言う株主)のダニエル・ローブ氏が率いる米サード・ポイントがネスレの株式を取得し、構造改革の要求を突き付けました。

 特定の株主とのやり取りについてはコメントできません。全ての株主の声を非常に注意深く聞いており、サード・ポイントはその中の1社です。投資家に納得してもらえるような戦略を作り、システマチックに実行しています。

日経ビジネス2019年9月16日号 92~95ページより目次