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主力のフラッシュメモリーで、合弁相手の東芝メモリの買収を画策するも頓挫。一時は険悪な関係にもなったが、2017年末に和解。打倒サムスン電子へ、関係強化を急ぐ。部品売りから「データインフラ企業」への脱却を目指す。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=陶山 勉)
PROFILE

スティーブ・ミリガン[Steve Milligan]氏
米オハイオ州立大学で会計学士号取得。米デルや英PwCなどを経て、2002年に米ウエスタンデジタルへ。財務部門のバイスプレジデントを経て、CFO(最高財務責任者)に。07年、日立グローバルストレージテクノロジーズに転じる。社長兼CEO(最高経営責任者)を務めた後、ウエスタンデジタルによる買収に伴い、12年3月にウエスタンデジタルの社長に就任。13年1月から現職。

主力事業であるフラッシュメモリーとHDD(ハードディスク)の市場見通しをどう見ていますか。

 世界中で扱われるデータ量は急激に増大しています。世界のデータ量は、年率45%という高い成長率が見込めます。こうしたデータ量の増大は、我々の主力商品の収益にとって追い風です。(パソコンなどで使う)HDDの市場は比較的安定しており、成長の大部分は大規模データセンター向けです。今後も年率1桁台前半の伸びが期待できるでしょう。

 これに対して、(スマートフォンなどに搭載される)フラッシュメモリー市場は年率1桁台後半で長期的に成長すると見ています。我々のビジネス全体では、長期的な売上高の成長率は4~8%の間で推移しそうです。

世界半導体市場統計(WSTS)などでの調査では、世界の半導体市場はこれまでの高成長が一服し、2019年に減少すると予測しています。足元のビジネスに影響はありませんか。

 19年に限定すれば、フラッシュメモリーは供給過剰の状況です。需給のサイクルがある業界ですので、足元は減少に転じています。ですが、長期的な視点で見ると先ほど話した通り、高い成長率が期待できます。

日経ビジネス2019年8月19日号 64~67ページより目次