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主要都市の駅前一等地に大型の自社店舗を構え、「持つ経営」で成長を続けてきた。今秋には大阪・梅田でテナント200店とホテルを備えた商業施設も営業を始める。EC(電子商取引)の拡大など環境が激変する中、どう生き残るのか。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=竹井 俊晴)
PROFILE

藤沢 昭和[ふじさわ・てるかず]氏
1935年、長野県本郷村(現富士見町)生まれ。25歳で上京し、60年に藤沢写真商会を設立、カメラの卸売りを始める。新宿駅西口に物件を買い、67年淀橋写真商会を開業。74年社名をヨドバシカメラに変更。日本初のポイントカードシステムを考案し、89年に導入した。仙台や大阪で旧国鉄用地を取得し駅前の一等地に大型店を造るビジネスモデルを確立した。息抜きは朝の散歩。83歳

今年秋、大阪・梅田に「ヨドバシ梅田タワー」を開業します。大阪市内で最大級の客室数(1032室)を備えたホテルのほか、200店舗ものテナントが入ります。カメラや家電の量販店として成長してきたこれまでとは一段違うビジネスに踏み出す印象です。

 そんな難しいことじゃないんですよ。梅田の土地は、旧国鉄の民営化を受けて二十数年前に売りに出されました。その時、「どうしても大阪のお客さんに喜んでもらえる品ぞろえができる店が欲しい」と考えました。自走式で利便性の高い駐車場や家族連れで買い物に来たついでに食事もしていける場所を作りたいと思ったんですね。

 入札で1997年に土地を買った後、半分くらいの土地をお店(マルチメディア梅田)にして、残りはずっと駐車場にしていました。訪日外国人がどんどん増えて、2020年には東京オリンピックもある。ホテル業界も大繁盛です。部屋が足りないという話もいろいろなところからあったものですから、じゃあやろうか、と。それで今回「ヨドバシ梅田タワー」を建てることにしました。

今秋開業の「ヨドバシ梅田タワー」の完成予想図。土地取得から20年以上たつ
日経ビジネス2019年7月8日号 52~56ページより目次