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6月からふるさと納税を事前審査制とし、過剰な返礼品競争にひとまず決着をつけた。持論は新技術による「地方創生」。技術革新と意識の変化で過疎化は解決可能と説く。東京一極集中を是正し、地方を救う一手になるのか。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

(写真=竹井 俊晴)
PROFILE

石田 真敏[いしだ・まさとし]氏
早稲田大学政治経済学部卒。蔵相を務めた坊秀男衆院議員の秘書を経て、1983年に和歌山県議会議員に初当選。3期11年務めたのち、94年に同県海南市長に。2002年の衆院和歌山2区補欠選挙で初当選し、当選7回。財務副大臣や衆院法務委員長、党国会対策筆頭副委員長を歴任したほか、党税制調査会の非公式幹部会のメンバーとして、与党税制改正大綱の地方税分の原案を書く「ライター」も務めた。海南市出身。67歳。

ふるさと納税が新制度に移行しました。一部自治体が本来の趣旨からの逸脱を続けたことが背景にあります。そうした自治体が現れた理由についてどう考えていますか。

 ふるさと納税の目的は寄付という行為のハードルを下げることにありました。自分のふるさとやお世話になった地域に感謝の気持ちを伝えたい。でも、大上段に構えて寄付するのもためらいがあるという人はやはりいますので。

 また、納める税金を少しでも自分の希望通りに使わせてほしいという納税者のニーズに応えるという意味もあったと思います。そういう意味では、自治体は返礼品ということをあまり意識していなかったんです。最近、返礼品に注目が集まったのは事業者さんの存在もあるかな。

寄付者と地方自治体をつなぐ仲介サイト事業者ですか。

 仲介サイトで紹介されたことが、影響としては大きいんじゃないかと思います。地場産品が動いていることは確かで、この制度を存続してほしいと大半の方は願っている。ところが、極端に趣旨を逸脱するところが出てくると、もうやめてほしいという声も出てくる。例えば、東京23区のような都会の自治体からすると、税収は流出ばかりですよね。

 制度が存続するためにはやはり、税収が流出する自治体の理解もいる。皆さんに納得してもらいながら、一定のルールの中で健全に制度を維持していきたいというのが我々の思いです。

日経ビジネス2019年6月10日号 136~139ページより目次